変えられないものにどんな意味を与えるか。 嫌われる勇気 第一夜 まとめ

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嫌われる勇気』第一夜のまとめ。

まず、アドラーとは何者か

本書で哲人が青年に説く教えは「アドラー心理学」で、これはオーストラリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーが創設したもの。

心理学とは言うものの、ギリシア哲学の系譜である。

そして、同時期に活躍したフロイト、ユングとならぶ心理学の3大巨頭の1人。

フロイトを父のように慕っていたユングとは違い、年齢が近かったアドラーはフロイトとは対等な関係性であった。

人は変われる

本書には2人の人物が登場する。

その内の1人、哲人はアドラー心理学の研究者であり実践者。

そしてもう1人である青年は「人は変われる」と説く哲人に異論を唱えるべく挑戦しにきた。

哲人は「トラウマ」の存在を明確に否定し、人間は過去に囚われず、いつでも変わる事が出来ると説く。

もし、現在が過去の出来事によって決まるのであれば、例えば両親から虐待を受けた人は全て青年の友人と同じ様に引きこもりにならなければおかしいという事になってしまう。

過去の出来事により引きこもっているという「原因論」に対し、現在の目的のために引きこもっているというのがアドラー心理学の「目的論」である。

過去の経験そのものではなく、経験に与える意味によって自らを決定する。

例えば、風邪をひいて医者に診察を受けた時、「風邪をひいたのは薄着で出掛けたから」と風邪をひいた理由を教えて「だからあなたは悪くない」と慰めるのが「原因論」のトラウマの考え方である。

対して、アドラー心理学の「目的論」では、過去の出来事にどういう意味を与えるかで現在の自分を決定する事が出来るとする。

〇〇だからこうなってしまった、こうする事が出来ない。が原因論。

あの時〇〇だったので今はこうしよう。というのが目的論である。

感情は出し入れ可能な道具である。

目的論は、感情にも当てはまる。

「カッとなったから〇〇してしまった」というのは、感情表現により他者をコントロールする事である。

感情自体は間違いなく存在するが、それはあくまで一瞬の事である。

後はその感情にどんな意味を与えるかによってその後の行動をコントロールする事が出来る。

与えられたものをどう使うか。交換ではなく更新。

社交的な友人Yに憧れ、彼のようになりたいと願う青年。

彼は与えられたもの自体に執着し、より良いものを持ちたいと願っている。

ここでも目的論の考え方、与えられたものにどんな意味を与えてどう使うかが重要である。

青年の不幸は「善」なるもの

青年が自ら不幸と呼ぶ今の状況は、青年が選んだものである。

どんな人間でも、たとえ悪人や罪人であっても、自分にとっての「悪」を行う人間はおらず、どんな行動もその人にとっては「善」だからだ。

ライフスタイルを知り、選び直す

どんな悪い結果であってもそれが自分にとっての「善」の行動の結果ならば、やはり変わる事など出来ないのではないか?

そんな疑問への答えがアドラー心理学で言う「ライフスタイル」である。

性格や気質と言い換える事が出来る「ライフスタイル」は大体の人が10歳前後に選んだものであり、自分で選んだものである以上、いつでも選び直す事が出来るという考え方だ。

そして、ライフスタイルを変えるとは、世界や自分への意味づけを変える事である。

ここまで見て、第一夜に哲人が語った全ての事に共通しているのが「意味づけ」だった。

過去の出来事、感情、与えられたもの、世界と自分の関係性などの「変える事が出来ないもの」の「意味づけ」を変える事で自由に今のライフスタイルと目的を変える出来るのだ。

1つの物事であっても視点を変える事で意味づけは変わるものである。

嫌われる勇気