宗教、イデオロギー、人間至上主義、科学の矛盾 サピエンス全史 第12章 読書ノート

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現代の帝国とは? サピエンス全史 第11章 読書ノート

本章より、『サピエンス全史』の下巻の範囲となる。

この章で取り上げるのは、人類を統一する3つの要素、『貨幣』、『帝国』に続き、『宗教』である。

また、『宗教』と聞いてイメージするものにとどまらず、資本主義、共産主義といったイデオロギーにも言及される。

宗教とは何か?

宗教と馴染みの薄い今の日本で暮らす我々にはイマイチピンとこないが、宗教にはいくつかの定義がある。

まず1つ目は、宗教とは神などの超人間的な存在がもたらす秩序を信じる事である。

そして、その超人間的な秩序に基づく、拘束力のある規範や価値観の制度である。

また、宗教による人類の統一を実現するには、さらに普遍的である事が求められる。

人は、普遍的な素晴らしい価値観、ルールを知ればそれを広めようと宣教活動を行うからだ。

創造主が悪なら全てが丸く収まる。

本書では、アニミズム、多神教、一神教、二元論といった宗教について解説がなされる。

これらには全て共通点があり、アニミズムや多神教であっても背景には全てを想像した存在があり、一神教であっても、人間の訴えに答えてくれるそれぞれの神や聖者の存在が見られる。

二元論は一神教では説明出来ない「悪」の概念をフォローするために生まれたものだが、本書に書かれている通り、創造主が悪であると考えるのが妥当である。

そもそも、一神教の神は人間の幸せのために訴えを聴く性質のものではない。

象がアリを踏み潰しても気付かない如く、人間にとっての悪の振る舞いもなんのためらいもなく行えるのが創造主であるはずだ。

仏教、そしてイデオロギー、そして人間至上主義

ここに来て仏教が取り上げられたので私は手塚治虫のブッダを視聴した。

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仏教についての詳細は本書に書かれているので割愛するが、仏教は他の宗教よりもむしろ、共産主義や資本主義といったイデオロギーに近いのである。

そして、現在の主流である、自由主義の人間至上主義。

これはキリスト教をルーツに持つ、個人の中には自由な魂があるという考え方である。

しかし、生命科学の分野では人体内部には魂がない事がはっきりしている。

この矛盾にどう折り合いを付けていくのかが今後の課題である。

サピエンス全史

iBooks版

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 – ユヴァル・ノア・ハラリ & 柴田裕之