この本に書かれた虚構を用いて虚構から頭を抜け出そう。 サピエンス全史 上巻 感想

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サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』を読み終えたので一旦レビューする。

サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福

オススメ度:★★★★★

オススメなんて言葉では済まされない。

ホモ・サピエンスなら絶対読むべき本。

中身のボリュームも濃さも半端じゃない。

上巻だけ読む人なんていませんよね?

この『サピエンス全史』は上下巻に分かれていますが、内容は完全に続いています。

上下巻の区切りも第3部の途中と、実に中途半端。

なので、必ず両方買って読みましょう。

最初からKindleの『上下合本版』を買うのも手です。

認知革命、農業革命、そして人類の統一

この上巻では、認知革命と農業革命という、ホモ・サピエンスの社会に起こった2つの革命と、貨幣、帝国、宗教という3つの概念がもたらした世界統一について書かれています。

我々ホモ・サピエンスが、数ある人類種の中から唯一生き残り食物連鎖の頂点に駆け上がった最大の理由、『虚構』にスポットライトを当てた本書。

まさにその虚構に頭のてっぺんまで沈みきった現代を生きる我々には目から鱗が落ちる描写が数えきれないほどあります。

本書を読む事で、虚構から頭と手を出すことが出来、何が虚構で何が違うのか、虚構がもたらす力を上手く操る事が出来る様になるはず。

さながら、映画『マトリックス』の主人公たちの様に。

禁煙にも似ているこの感覚

私は以前、といっても10年以上前にこの様な『マトリックス』の感覚を味わった事があります。

それが禁煙した時です。

参考記事:私は『禁煙セラピー』でタバコをやめました。

私は『禁煙セラピー』でタバコをやめました。
今から、もう10年以上前になります。私は、一冊の本との出会いをきっかけに、タバコをやめる事が出来ました。それがこの、『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー』です。読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー

便宜上『禁煙』と言っていますが、タバコを本当に止めるには、禁煙を始めるのではなく、タバコを吸うのを終えるという発想の転換が重要です。

タバコを止める最大の敵は、「タバコは必要なもの」もしくは「必要な場面がある」という、喫煙者が共有する「虚構」です。

そして、虚構からただ単に抜け出すのは非常に難しいため、この『禁煙セラピー』という本に書かれた、別の虚構を用いました。

映画『マトリックス』でも薬を飲みましたよね、あれの役割です。

この経験から、虚構が人間が個人以上の力を出すためには必要なものである事を知りました。

タバコをやめてからしばらく、1年近くは仮想現実から抜け出せたという余韻に浸っていました。

喫煙者の共有する虚構に浸かったまま禁煙を始めてしまった人にとっては地獄のような1年だったに違いありません。

虚構から抜け出すために、サピエンス全史に書かれた虚構を利用する。

今の禁煙の話に書いたように、お金をはじめとする現代の虚構から頭を抜け出して上手く操れるようになるには、別の虚構を用意するのが手取り早いのです。

そこで活躍するのが本書。

サピエンス全史に描かれた世界の歴史は、紛れもなく虚構です。

現実にホモ・サピエンスの歴史をこの目にする事は出来ませんから。

このサピエンス全史という新しい虚構の力を使って、他の虚構から抜け出る手助けをするのです。

だから、この本を勧める私は、映画『マトリックス』でネオに選択を迫るモーフィアスの気分です。

このブログでは上巻各章の読書ノートを付けているので良かったら併せてどうぞ。

サピエンス全史 読書ノート 第1章
今回のテーマは『サピエンス全史』である。読んでとてつもない衝撃を受けた。想像力を刺激しまくる、2巻構成の超ボリューム。そこそこの値段の本ではあるが、電子書籍の上下巻セットを買えばかなり安く購入出来るので是非手に取ってみて欲しい。...
ホモ・サピエンス飛躍の秘密は虚構にあった。 サピエンス全史読書ノート 第2章
前回の記事:サピエンス全史 読書ノート 第1章前回に引き続き、『サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福』第2章を読書ノートにまとめていく。第2章のタイトルにも含まれる『虚構』はホモ・サピエンスと他の人類の最も大きな違いで...
サピエンス全史 読書ノート 第3章
前回の記事:ホモ・サピエンス飛躍の秘密は虚構にあった。 サピエンス全史読書ノート 第2章第3章では、サピエンスが狩猟採集民だった時代の暮らしについて描かれる。この章も相変わらず想像力をビシビシ刺激してくれるのでとても楽しんで読めた。...
サピエンスが招いた最初の大量絶滅 サピエンス全史 読書ノート 第4章
前回の記事:サピエンス全史 読書ノート 第3章第4章のタイトルである『史上最も危険な種』とは、言うまでもなく我らホモ・サピエンスの事である。7万年の認知革命以降、アフロ・ユーラシア大陸(アフリカ大陸・ユーラシア大陸の総称)の食物連鎖...
罪深くも悲しい農耕民 サピエンス全史 読書ノート 第5章
前回の記事:サピエンスが招いた最初の大量絶滅 サピエンス全史 読書ノート 第4章最近至る所で話題になっている『サピエンス全史』第5章の読書ノートである。この章も驚きとともに新たな視点を与えてくれた。農業革命による種の繁栄と個の不...
農業革命は悪魔の取引? サピエンス全史 第6章 読書ノート
前回の記事:罪深くも悲しい農耕民 サピエンス全史 読書ノート 第5章今回も世界的ベストセラー『サピエンス全史』の読書ノートを書いていく。今回は農業革命が「悪魔の取引」たる理由と、それによって虚構である「想像上の秩序」の進化する様子を...
言語の進化 サピエンス全史 第7章 読書ノート
前回の記事:農業革命は悪魔の取引? サピエンス全史 第6章 読書ノート『サピエンス全史』第7章の読書ノートである。この章ではコンピュータや人工知能についても言及されており、現代を生きる我々にも通じるとても刺激的な内容であった。
差別と虚構の関係 サピエンス全史 第8章 読書ノート
前回の記事:言語の進化 サピエンス全史 第7章 読書ノート『サピエンス全史』第8章の読書ノート。読んでも読んでも次々に興味深い話題が登場する本書。ホモ・サピエンスの歴史を通じて、どんな文脈で何を考えてどう行動するべきかのヒント...
世界統一を実現した3つの要因 サピエンス全史 第9章 読書ノート
前回の記事:差別と虚構の関係 サピエンス全史 第8章 読書ノート『サピエンス全史』第9章の読書ノート。この章では、人類社会が統一へ向かっていく様子をマクロな視点で掴み、その方向へ向かい、実現させた要因について見ていく。この後...
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前回の記事:世界統一を実現した3つの要因 サピエンス全史 第9章 読書ノート今の我々の生活に密接に関係している貨幣が主役となる、『サピエンス全史』第10章の読書ノート。これは私にとってももっともっと深く理解したい分野なので実に興...
現代の帝国とは? サピエンス全史 第11章 読書ノート
前回の記事:貨幣は人類史上最も偉大な発明 サピエンス全史 第10章 読書ノート『サピエンス全史』第11章の読書ノート。前回に引き続き、共通の世界観をもった人類が世界を統一できた3つの要因『貨幣』『帝国』『宗教』のうち、今回は帝国...