差別と虚構の関係 サピエンス全史 第8章 読書ノート

前回の記事:言語の進化 サピエンス全史 第7章 読書ノート

サピエンス全史』第8章の読書ノート。

読んでも読んでも次々に興味深い話題が登場する本書。

ホモ・サピエンスの歴史を通じて、どんな文脈で何を考えてどう行動するべきかのヒントを与えてくれる。

これからの人生のバイブル確定である。

虚構が生んだ差別

本書では、人種差別、カースト、そして男女差別、セクシャルマイノリティーの問題を取り上げる。

そのいずれもが、人間が大所帯の社会を形成するようになって以来、現在まで続いている。

と、いうことはこれらが社会を運営する上で、ある程度の役割を担っていることの証明と見ることが出来る。

このように生まれによって格差を設けるには、神話を用いてそれを正当化する。

つまり、認知革命を起こすきっかけになった『虚構』と実に密接な関係があることがわかる。

男女の役割はDNAに書き込まれている?

では、男女差別についてはどうだろうか。

男女の役割は、神話によって信じさせられているものではないように思える。

セクシャルマイノリティーの問題については、そもそも「男(女)はこうあるべき」という空想上の定義がなければ起こることがない。

コロンブスのアメリカ発見以前の、それまで全く関わりがなかった異なる社会同士のほとんどが家父長制だったという点を考えると、誰かがたまたま思いついた虚構によって生まれたとは考えにくい。

本書ではたびたびチンパンジーのアルファオスが例として登場するが、家父長制は、神話によって社会を形成するホモ・サピエンスに残された数少ない本能の1つという見方も出来るのかもしれない。

そして、これを克服するには、「男女平等」という「虚構」を用いる必要がある。

サピエンス全史

iBooks版

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 – ユヴァル・ノア・ハラリ & 柴田裕之