サピエンスが招いた最初の大量絶滅 サピエンス全史 読書ノート 第4章

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第4章のタイトルである『史上最も危険な種』とは、言うまでもなく我らホモ・サピエンスの事である。

7万年の認知革命以降、アフロ・ユーラシア大陸(アフリカ大陸・ユーラシア大陸の総称)の食物連鎖の頂点に立ったサピエンスが4万5千年前に海を渡ってオーストラリア大陸に上陸したのを皮切りに、アメリカ大陸やその周辺の小さな島々にも暮らし始めた。

その上陸した陸地に住む動物種たちをことごとく絶滅させていった可能性が高いから、『最も危険な種』なのである。

これに関しては様々な説があるにせよ、サピエンスが上陸しなければそういった大規模な絶滅が起きなかった事だけは事実だろう。

とは言え、これらは数千年単位で行われた事であり、張本人であるサピエンス自身にしてみれば狩りで食料を得るのは必要な事だし、自らの身の危険に結びつく可能性が高い上に、1度の狩りで大量の食料、資材を確保出来る大型動物から狩っていくのは当然と言えば当然である。

なにせ、大型といっても今の地球上に生息している動物たちとはスケールが違いすぎる。体長2メートルのカンガルーや5メートルもあるヘビがうろうろしているような所で安心して休む事が出来るわけがない。

アメリカ大陸に至っては体長6メートルのオオナマケモノが居たというから想像を絶する。

マンモスを狩る技術を身に付けていたサピエンスからすれば、新しい土地で見慣れない巨大動物を目にすれば、狩猟するの自然な流れである。

止むを得なかったからと言ってサピエンスの罪が無かった事になる訳ではないが、狩猟採集民時代や農耕民時代のサピエンスが自然や他の動物種と上手く共存出来ていたという幻想を捨てる必要はあるだろう。

そして、この事実を知ることで、この大量絶滅を生き延びた動物たちを絶対守らないといけないという新たな動機にする必要がある。

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

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