資本主義と科学という2つの錬金術 サピエンス全史 第16章 読書ノート

前回の記事:帝国と科学革命 サピエンス全史 第15章 読書ノート

帝国と科学革命 サピエンス全史 第15章 読書ノート

サピエンス全史』第16章の読書ノート。

切っても切り離せない関係の帝国主義、科学革命、資本主義の3つが引き起こした出来事の中には、一部の人たちにとって地獄と言えるものもあった。

だが、これも農業革命と同じく不可逆的な変化で、前に進むしか道は残されていないのである。

信用を元に新たな貨幣を生む錬金術、資本主義

資本主義の基本は、事業で得た利益を生産性向上のために投資する事である。

それによっとどんどん経済の規模を大きくする事が出来、それが信用(クレジット)を生み、さらなる投資活動の原動力となる。

そうやって雪だるま式に経済規模を大きくしてお金を生む様子は、まさに錬金術である。

資本主義と帝国

探検や侵略のための航海で植民地を増やしていたヨーロッパ帝国主義が信用を元にする資本主義を生んだ。

探検による植民地化で得た利益をまた次の探検に投資し、それがまた新たな発見に繋がり利益を生み、信用を生んでいったのである。

資本主義と科学

帝国主義による地理的な発見には限りがある。

しかし科学的な発見には物理的な限界はない。

経済が発展し続けるという信用を元に、今はないお金を生み出す事が出来る資本主義と、元々が錬金術から生まれ産業の効率向上に貢献し経済の発展に多大な影響力を持つ科学との相性は抜群である。

この2つが組み合わさる事で近代の経済規模は加速的に増えたのである。

資本主義が生む地獄

資本主義による利益の追求は人種差別や奴隷の問題と組み合わさる事で、目を覆いたくなるような悲劇も起こした。

ここでも「私たち」と「彼ら」という価値観が影響している。

利益を追求するのに、「彼ら」への無関心が残酷さへと繋がったのである。

これは、現代の家畜動物への無関心にも通じるものがあると思う。

サピエンス全史

iBooks版

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 – ユヴァル・ノア・ハラリ & 柴田裕之