帝国と科学革命 サピエンス全史 第15章 読書ノート

前回の記事:科学は無知を知る事で始まった。 サピエンス全史 第14章 読書ノート

科学は無知を知る事で始まった。 サピエンス全史 第14章 読書ノート

サピエンス全史』第15章の読書ノート。

本章では、科学革命と帝国、そして資本主義といった様々な要因が合わさり、それぞれが爆発的に力をつける様子が描かれる。

地図の空白を埋めるために融合した「科学」と「帝国」

前回の記事にも書いたように、空白の地図を受け入れ、空白への強烈な好奇心を持った事が科学革命の一歩である。

科学的な発見のために未開の土地へ赴き、そのついでとばかりにに植民地化していった。

本書内で語られる、オーストラリアやタスマニアの先住民の不幸の始まりである。

1万年以上も完全に独立した世界で生活していた彼らの元に突然現れた「宇宙人」の如きヨーロッパ人の欲望のために肥沃な土地を追われ、野蛮人としてヨーロッパ式の教育を受け、それを受け入れられずに絶滅していったタスマニアのアボリジニの話は読んでいて胸が苦しくなるほどである。

人種差別と資本主義

しかし、科学的な空白への探究心だけでここまでの惨事を起こすことはない。

事実、中国にも鄭和という武将が同様の航海をしたという記録があるものの、彼らは植民地化などしなかった。

ここまでの、他の民族との圧倒的な差があるほど大きな欲望と残忍さをヨーロッパ人が持っていた理由に、人種差別と資本主義がある。

本書ではしばしば「私たち」と「彼ら」という言葉が登場するが、当時のヨーロッパ人にとって、それ以外の人種は、野蛮な「彼ら」に過ぎなかったのである。

そして、圧倒的なスピードで全世界の経済規模を成長させるその第一歩として多数の先住民たちを蹴散らしてしまった、資本主義というイデオロギーについては次の章で語られる。

サピエンス全史

iBooks版

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 – ユヴァル・ノア・ハラリ & 柴田裕之