これを知っても日本に住み続けたい? 冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場 感想

作家の冲方丁氏が妻へのDV容疑で逮捕されてから釈放され不起訴処分になるまでの留置場での出来事を描いた『冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場』を読んだ。

オススメ度:★★★★★

恥ずかしながら、この本を読むまでこのような出来事があった事を知らなかったし、冲方丁氏についてもなにも知らなかったが、この本に書かれている出来事は誰にも起こり得る事であり他人事ではない。

こうして本にまとめてくれた事に感謝したいくらいである。

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警察は信用出来ない?

この本を読み進めてまずはじめに感じたのは警察に対する不信感である。

私自身の過去の経験からも同様の気持ちを抱いていたので、再認識した。

ただ、検察との関係や有罪へ誘導するための巧妙な手口など、初めて知った事実も多く、より一層不信感は増した。

女性も信用出来ない?

次に、この作品を通して解決しなかった謎、冲方丁氏の妻の訴えの内容とその動機についてである。

私自身も既婚者であり、夫婦げんかも頻繁に起きるため決して他人事ではない。

一切身に覚えがないにも関わらず、デタラメな訴えを元にこのような長期間の勾留を強いられるなど、悪夢以外の何物でもない。

一緒に苦楽を共にした妻からの突然の裏切りと愛する子供達との別離の衝撃は想像を絶する。

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異常な日本の留置署の実態

留置場というものに世話になった事がない大半の日本人にとって、この本をに書かれている留置場の現実は驚愕に値する。

何より、まだ刑が確定していないにも関わらず強制的に行動を制限し、容疑者に経済的にも社会的にも深刻なダメージを与える事が許されているという事実に憤りを禁じ得ない。

検察に目を付けられたら99.9%有罪

そして、もう1つこの本を読むまで知らなかった事実が検察の持つ力の強大さである。

歪んだパワーバランスのせいで、起訴後の有罪率は99.9%だという。

この数字の裏に多くの冤罪が含まれている事は想像に難くない。

冤罪の容疑者やその家族に、罪を認めさせてしまう実に巧妙なやり口には恐怖すら覚える。

巻末の対談も必見!

本作の巻末には、冤罪をテーマにした映画『それでもボクはやってない』の周防正行監督との対談も収録されている。

映画を作る際の取材でのエピソードなど、興味深い話題が満載で読み応え十分。

本編と併せて読む事で日本の警察、検察、裁判所の異常な実態がよりはっきり浮かび上がる。

たくさんの気付きを与えてくれ、この日本の警察に対する新たな視点をもたらしてくれる本作は、日本に生きる全ての人が読むべき、いざというときのためのサバイバル指南書とも言える。

冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場

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